感動した!(2/22)

ああ、見に行けば良かった。昨日秩父宮で行なわれたラグビー日本選手権三回戦関東学院大対釜石シーウェイブスの試合だ。ちょっと風邪気味で体のふしぶしが痛かったのと、テレビで放送するので家で見ようと思ってしまったのだ。今日寝込んでも良いから見に行くべきだった。


釜石シーウェイブスというのはかつて七連覇を成し遂げた「北の鉄人」新日鉄釜石が地域のクラブとして出発したチームです。
僕がラグビーを見るようになったのは新日鉄釜石がまさにその七連覇を成し遂げつつある昭和50年代の後半でした。日本選手権の相手は北島監督率いる明治大学で北島監督は試合前に「あそこ(釜石)にはウチから行ったうるさい奴が二人いるからな」と言っていた。その二人というのは当時選手兼任だった森重隆監督と松雄雄治キャプテンで、その後松尾監督になり学生三連覇を成し遂げた平尾誠二率いる同志社大学を破って七連覇を成し遂げたのでした。
しかしそこをピークに新日鉄釜石は徐々に下降線をたどり東日本の社会人リーグの枠からも消えていき、数年前に新日鉄という名前も外し地域クラブチームとして再出発しました。僕が再び釜石というチームに興味を持ったのは元日本代表キャプテンA・マコーミックが加入したからでした。東芝府中での選手生活にピリオドを打った彼は2年間ヘッドコーチを務めた後、同時期に日本代表だった釜石の桜庭ヘッドコーチの要請を受けて現役に復帰しチームの強化を先頭に立って行ないました。そこいら辺はNHKの「人間ドキュメント」にも取り上げられたのでご覧になった方もいるかと思います。そして今年、トップ・リーグへの昇格は惜しくも逃がしたものの日本選手権へ出場出来るまでにチームは成長してきました。マコーミックにとって現役のラストシーズンになる今年。


関東大学リーグ戦というのは早稲田・明治・慶応などの所属する関東大学対抗戦の影に隠れた存在でした。メディアに取り上げられるのは常に早明戦であり早慶戦でした。そのリーグ戦の中の関東学院という存在を知ったのは現在も東芝府中でプレーする松田努選手が出てきた頃からです。その後に知ったのですが関学を率いる春口監督が就任した30年前には人数さえ揃えることの出来ないチームだったそうです。そして大東大や法政などとの熾烈な戦いの中で関学は確実に力をつけていき、仙波・立川・箕内・淵上など日本代表主力選手を輩出すると共にここ数年大学ラグビーの頂点に君臨するチームとなったのでした。釜石シーウェイブスにも春口監督が育てた関学出身のプレイヤーは沢山所属しています。そして早稲田を破り学生日本一に返り咲いた山村キャプテン率いる今年度のチームは史上最強と言われています。


僕の中でも色々な物語を持っている二つのチームがお互いの今ラグビーシーズンの最後を賭けて試合をしました。長年関学を応援してきた身にとって、マコーミックの闘志あふれるプレーを秩父宮で見てきた身にとって、この試合はしびれるものでした。本心から両チームに勝たせたいと願ってしまう試合はそんなに多くあるものではありません。結果はまさにそれを象徴するように、ロスタイムに関学がトライを奪いコンバージョンゴールをポールすれすれに決め一点差の勝利をものにするという劇的なものでした。


僕は試合後のインタビューで春口監督が少し声を震わせ言葉に詰まっていたのを見て思わず目頭が熱くなりました。そしてA・マコーミック選手、僕は貴方の闘志あふれるタックルに何度も励まされました。、本当に長い間お疲れ様でした。