桜の木の下で(4/18)

桜も散ろうとしている。僕はどちらかと言えば満開の桜よりもちょうど今ぐらいの花が散りかけたところに若葉が出てきて両者が微妙にミックスされた状態が好きだ。おそらくそういのを「葉桜」というのだと思っていのだけど、改めて調べてみると葉桜というのは「花が散り、若葉になったころの桜」ということだった。フーン。
自宅と作業部屋を行きかう毎日なのだけど、途中にわずかながら残った里山がある。里山の良さは木が一種類ではない事だ。竹があり柿があり桜があり。満開の桜は今ひとつと書いたけど、こういった里山にポッと満開の桜が一本だけあったりすると、「美しい・・・」と思わず呟いてしまう。何か音が聴こえるような気がする。「ポッ、ポッ、ポッ」。


そんな桜の景色をみながら、何て最近は時間が経つのが早いのだろうとため息をついてしまう。これはもう時間が後ろの方向へ飛び去っていっているというのに近く、まだ何もしていないのにもうカラータイマーが鳴り出しているような感じだ。「ちょっと待ってくれよ。そんな急いで逃げ去らなくてもいいじゃないか」。そんな時は悪い連鎖反応でとても不安な気持ちになってしまう。すべての人が気がついている事を僕だけが知らないのではないかと。皆にはハッキリと見えている石ころにつまずいて大怪我をしてしまうのではないだろかと。だからなるべく皆には聞かない方が良いのかもしれない。「だってあんなにハッキリと見える石ころだぜ」何て言われた日には「そうだよな」と言うしかないもの。


そんな不安を抱えながらキャッシュディスペンサーに寄ったら隣が大きな温室もある花屋さんだった。作業部屋のある実家の庭には最近3年の間に約束してあったように立て続けに死んでしまったペットたちの墓がある。その墓に植えようと花の苗を買った。赤と黄色とオレンジ。名前は何だっけ・・・。すぐに忘れてしまう。ローズマリー?作業部屋や他の部屋に古いカレンダーが掛かっていたままだったので持っていった新しいものに変えた。作業部屋にミッキーマウスの絵が描いてあるカレンダーを貼ったら部屋が少し明るくなった気がした。さっきまでまとわりついていた不安な気持ちは消え、里山の桜の木の下の陽だまりに寝転んでいるような気持ちになった。