音楽の素晴らしさ(7/3)

昨年の7月に亡くなった甲斐バンドのギタリスト大森信和さんを偲ぶイベントが昨夜、下北沢のライヴハウスで開催されました。

僕が大森さんに初めて会ったのは田中一郎さんが「KIT16」というバンドを立ち上げた時にメンバーとして呼ばれて参加した時でした。また、この時は甲斐バンド解散後ディレクターやプロデュース業に専念されていた大森さんが久々にギタリストとして「現場」に復帰された時でした。「KIT16」のデビューライヴは渋谷の「ラ・ママ」というライヴハウスの深夜一時のライヴで、僕の記憶では1曲目は一郎さんの「1954BLUES」だった気がします。間奏で大森さんが「カィーン〜」とチョーキング一発からソロを奏で始めた瞬間に客席から「ウォ〜」という地鳴りのような反応が返ってきたのが今でも忘れられません。

大森さんにはいつも励まされていたような気がします。「高クン、大丈夫だって」。僕が出来かけのデモテープをスタジオに持って行くと「これカッコいいじゃ〜ん。これ演ろうよ。これこれ」なんて言ってくれたし、一郎さんと柳葉敏郎さんのレコーディングをしているスタジオに遊びにきた時も曲中のベースのチョッパーのフレーズを「いや〜たまんないねー」とニコニコしながら誉めてくれました。僕は大森さんに誉められると本当に嬉しかったし、ちょっと自信を失いかけてる時でも「よし、もう一回やったるでー」という気になれるのでした。

それだけに去年の7月に大森さんが亡くなられた時にはとてつもない喪失感を味わいました。でも大森さんの通夜の席でお互いにしばらく会っていなかった多くのミュージシャン仲間が会い「これって大森さんが皆に”生きてるうちに演っとけよ!”て引き合わせてくれたんじゃないかな」て皆が口を揃えたように言ってました。そして今年の春に一郎さんから「こういうイベントをやるんだけど出る?」って話をもらった時も「もちろん!出させてください是非!」と返事をしました。

昨夜のライヴは一郎さんの他に松藤英男さん白浜久さんが発起人となって行われたものでした。会場には大森さんの写真が何枚も掲げられ、大森さんの演奏してきた曲を発起人の三名を含めた佐藤英二さん、市川洋二さん、西川貴博さん、RUMI-KC、名鏡雅宏さん、西本 彰さん、江澤宏明さんなどのメンバーが演奏する豪華なものでした。僕は大森さんのインストの名曲「25時の追跡」を演奏させてもらいました。アンコールでの参加だったので結構緊張しましたが「大丈夫、大森さんが見てくれている」と心に命じて渾身の力を込めて演奏させてもらいました。あの場で演奏出来たことは僕にとって身に余る本当に光栄な事でした。

残念ながら大森さんは黄泉の国へ旅立たれてしまわれましたが、演奏を聴きながら、また一緒に演奏しながらステージに大森さんがニカーッとしながら一緒に立たれているような気がしました。音楽がある限り大森さんを身近に感じることが出来ます。「音楽って本当に本当に素晴らしい」。

そして大森さんありがとう。