河岸段丘(9/10)

昨日、家から直線距離にして13キロにある、「相模川ふれあい科学館」までカミさんとサイクリングしてきました。この科学館があるのは相模川沿いの「水郷田名」という場所で前から一度行ってみたかった場所です。水郷=水の郷ですものね。
以前その手前にある相模原公園まで行きました。そこまでは多摩丘陵の西端に広がる相模原台地で殆ど平らです。しかしそこから水郷に向かっては、ひな段状に形成された河岸段丘を相模川に向かって下っていかなければなりません。これがかなりの下りなので、前回はその手前で引き返しました。要は下ったら登ってこないといけないからギブアップしたわけです。


河岸段丘に関しては高校一年の夏休みの地学の課題だった記憶があります。自転車もしくは徒歩で相模川まで行き、河岸段丘に関してのレポートを提出する事。悪友三人と自転車で行った記憶があります。
もう一度確認で調べてみると「河岸段丘」とはウィキペディアによれば
「河岸段丘とは、河川の中・下流域に流路に沿って発達する階段状の地形である。平坦な部分と傾斜が急な崖とが交互に現れ、平坦な部分を段丘面(だんきゅうめん)、急崖部分を段丘崖(だんきゅうがい)と呼ぶ。段丘面は地下水面が低く、段丘崖の下には湧水が出ていることが多い。」
午前中は曇っていましたが、昼過ぎから晴れてきました。1時間チョイで台地の端まで来ました。「下るけど、良い?」と振り向いてカミさんに聞くと「行けーっ!」とのことなので一気にペダルを踏みました。本当に下りは楽です。「これを登るとなると」という気持ちが湧きますが、もう自転車は止まりません。下りきって無事に水郷田名に到着。手前で相模川から引かれた用水路を何本も渡りました。相模川はもう目の前です。
「相模川ふれあい科学館」は相模川や淡水に棲む魚や生き物を紹介する小ぶりな水族館です。入るとまず鮎の水槽がありました。かつて相模川は鮎川と呼ばれるほど、天然の鮎が遡上してくる川だったそうです。その量の多さは、まるで蛆が湧くようだったとも書かれていました。見たかったなぁー。ですが今は天然遡上は殆ど無く、稚魚の放流をおこなっているそうです。残念な話です。


その奥は幾種類ものタナゴの水槽でした。このタナゴというのも本当に小さくてキレイな魚です。2〜3センチのこの魚にもちゃんと釣り方があり、コアなタナゴ釣りファンというのはいるのです。ただタナゴというのは水がキレイでないと棲めないので、何種類かは絶滅危惧種にもなっています。
更にその奥にいたのが、昨日一番のお気に入り「オオサンショウウオ」でした。実に可愛らしいやつでした。覗き込むとちゃんと反応してくれました。写真には撮れませんでしたが、大あくびまでしてくれました(館内はフラッシュ撮影は禁止されていましたので勿論ルールを守って撮影しましたよ)。チャームポイントは小さな小さな目と、赤ちゃんのような手でした。このオオサンショウウオもキレイな水を好む生き物です。ここにいたオオサンショウ君はなんと川崎の高津の路上で保護されたそうです。一体どういう経緯なんだろう?路上よりはここの方がズーッと良いやな、と思いつつも本当は山奥の奇麗な水の湧き出る淵で過ごしたいんだろうなぁ、と思いました。ひょっとすると見せてくれたジェスチャーは「帰りたいよぉ」というメッセージだったのかもしれません。
その奥は相模川に棲む魚を上流から下流に向かって見ていける水槽でした。やはり最上流は山女と岩魚で、どれも美味しそうでした。この二種の魚に関してはどうしても食欲が優先されてしまうようです。丁度餌をやる時間だったらしく、係員の説明を聞きながら、子供たちは魚のお食事を水槽にへばりついて見ていました。
科学館から出ると少し陽は傾き始めていました。往路とは違う道を行きますが、どこかで河岸段丘を登らなければなりません。でもしばらくは下流に向かって川沿いの散策道を走りました。川の左岸には水郷の名の由来になっているであろう水田が広がっています。実りの秋、収穫の秋まであともう少し。
右手の相模川は台風の後遺症でカフェオレ色の濁流になっています。少し残念です。
結果的には三回の段丘崖登りがありました。ひな段状ですから急勾配で登りしばらく平らになり、また急勾配という事です。一回目の登りの途中には、ウィキペディアに書いてあった通りに崖から水が沸いていました。台地の中に染み込んだ水が流れ出ているわけです。近所らしき人が水を汲みに来ていました。何に使うんですか?と尋ねると水槽の水に使うそうで、この水を使うと魚が元気になるそうです。飲めるんですか?と聞くと「いやーどうですかね。水質検査とかしてないみたいなんで飲んだ事はないです」とのこと。急勾配の登りの途中で汗だくだったので顔を洗いました。とても冷たい水でした。
三つ目の急勾配の途中で、子供のころ家族で来た大型の釣り堀公園「フィッシングパーク」の横を通りました。今は営業しているのかどうか?普通のよくある公園のようになっていました。急坂に喘ぎながらも、父や母と家族で楽しんだ何十年前の休日を昨日の事のように思い出しました。今となっては宝物のような記憶です。
カミさんも僕も何とか登りきりました。僕は自分の足を確かめる意味で前のギアは一番重いままにして登りました。少しずつですが脚力は上がってきています。勿論、乳酸でパンパンにはなりますが、少しきつ目の条件でも登れるようになった事がとても嬉しいのですね。記憶力とか視力とか落ちてく身体能力ばかりの中で、まだ鍛えれば持ち直す部分がある事が本当に嬉しいのです。
本日の走行距離およそ40キロ程度でしょうか。勿論、アフターケアの為に直行で近くの天然温泉施設「ざぶん」に向かいました。「ざぶん」に着いた時にはすっかり暗くなっていました。