ファーストテイク(12/20)

高橋研プロデュースでの、小山卓治さんのレコーディング始まりました。一昨日もお呼ばれして、事務所での録音に参加してきました。その日の作業は全員で同時に演奏するスタイルではなく、既に小山さんと研さんで録音されたものに、ベースをダビングしていくという作業でした。
2曲目はかなり弾き語りっぽい曲だったので、ギルドのアコベ(コラム10/4参照)を使いました。弾き語り調の曲に後からベースを入れるのは難しく、結構苦労しました。何か気分が合わないんですね。一緒にやっていれば何でも無い事なんですが。またまた言い訳大会ですいません。
そんな私の気分を察してか、はたまたいつもの通りの気まぐれか、やはり同じようなタイプの3曲目に行く前に「次はこんな感じで弾いて」と、研さんがベースを弾きました。
その素晴らしさに唖然としてしまいました。まるで初めからそこにあったような、とでも申しましょうか、その曲が要求しているベースがそのまま、そこにあるという感じだったのです。ミストーンも多少はあるのですが、それすら許してしまっても良いのではないか、と思えるくらいのフィットの仕方でした。
「じゃ、弾いて」と言うので、自分がベーシストであることを横に置いて「イヤイヤ、このまま弾いて下さいよ」とお願いしてしまいました。だってあんな風に弾けねーもん。それからいつもとは逆に僕が卓のある部屋で聴きながら数テイク録りました。


その時僕が感じた一番大きな事は、ファーストテイクというのは大事だなぁ、という事です。テイクを重ねる毎にミストーンはなくなり、タイミングもフレーズも揃ってはくるのですが、やはりどこか「「作った」感じのものになってくるわけです。
おそらくファーストテイクは何も考えないで、良い意味で「適当」に弾いたのではないでしょうか。「良く分かんないけど、こんな感じー」という事で完成させようとは思ってないわけです。完成させようとすると、どこかで「まとめ」に掛かるわけですよね。そこいら辺が音というものには、恐ろしいほど確実に出てくるのですね。イヤイヤ、大変勉強になりました。


昼間ラーメンを食べ食器を洗っていると、流しの中性洗剤の泡に一匹の小さな蜘蛛が巻き込まれそうでした。慌てて水を止めて、割り箸を使ってその蜘蛛を救出しました。
嫌なんですね。生き物を殺すのが。ハエが部屋に入ってきても殺虫剤を撒いたりはしません。窓を大きく開けて出て行くのを気長に待ちます。
その蜘蛛は必死に割り箸にしがみ付いていたので、庭に出て木の幹にその割り箸をあてがいました。蜘蛛は木の幹に移動し、冬の柔らかな太陽の光を浴びながら上に登っていきました。
何か、そういう事が嬉しいんですよ。以前よりも。僕がとてつもない困難に巻き込まれた時に、この蜘蛛やハエが助けてくれるんじゃないかなぁ、なんて思うと意味もなく嬉しくなったりするわけです。


それにしても今日のコラムの前半と後半の内容のかみ合わなさは、自分でもあきれてしまいます。