便利と不便の葛藤 (7/29)

ちょっと他の事に気をとられているうちにコラムを書くのをサボってしまいました。チェックしてくれていた人ゴメンナサイ。今日の話題は来週の月曜8月5日から実施となる住民基本台帳ネットワーク、通称「住基ネット」についてです。
住基ネットというのは国民全員に11桁の番号をつけて、色々な役所関係の申請・手続きをオンライン化しようという試みのようだ。その番号に含まれる情報としては現在のところ、氏名・住所・性別・生年月日の四つが挙げられていて、この制度が実施されることによって今まで住民票の写しの添付が必要だった役所関係の手続きにその写しが必要なくなるということや、住民票の写しが全国のどこでも受けられるようになるとか、引越しの手続きが簡単になるなどのメリットが挙げられている。またそれによって紙代の節約など年間130億円の経費削減になるという見込みも立てられている。さらに個人の番号にインプットされる前記の四つの情報はあくまでも出発時点の話しであって、この先どういったものを付け加えていくかの裁量は各自治体にまかされている。それによって多くの事務手続きが更に簡略化されるだろうという見込みもあるらしい。
しかし驚くほど多くの自治体が8月5日の実施延期を求めているようで、中には東京の国分寺市のようにそのネットに参加すること自体を拒否している自治体もあるようだ。この制度の法案が成立した時から対になっていた「個人情報保護法案」が成立していないというのが一番大きな理由で他にも実施に向けての準備が出来てないなどの理由も挙げられている。


ふーっ。今日はちょっと長くなるかも。役所関係の手続きが簡単になるというのは本当に良いことだと思う。僕も父親が死んだ時に色々な手続きを一人でやったのだが、その面倒さには本当に驚いた。自分はフリーランスの仕事で平日も時間を作れるからまだ出来たと思うけれど、平日に仕事をしている多くの人たちにはあれはかなりハードな作業かもしれない。理想的に考えていけば来年8月から実施が予定されている「住民基本台帳カード」に銀行・保険・免許・資格・税金・医療・福祉サービス関係などより多くの情報をインプットしていけば色々な手続きがより簡略化されてくるのは必至だとは思う(ただ縦割り行政の通癖で既に納税者番号は別の番号にしたいという意見も出されている)。自分の生活に置き換えても通帳・保険書・免許書・印鑑など重要なものを一つの場所にまとめて保管しておけば扱い易いのと同じように、情報も一つのところに色々な物を集めておけば利便性が増すという事なのだと思う。


しかし一方では泥棒にとっては一つのところにまとまっている事ほど仕事(?)がしやすいことはないのではないだろうか?しかもその保管場所がコンピューターネットワークというセキュリティがあって無いも同然の場所にだ。まるで警察のいない町の道端に裸で札束を積んでるようにも感じる。さらに具合の悪いことに、ネット検索で調べてみたら現在においても三重県・四日市市では市職員が興味本位でコンピューターにインプットされていた市民情報を覗き見していたといわれる事件などが出てきてしまった。ハッカーの危険にさらされるという話しの前に管理者の中に覗き屋がいたのではお話しにならない気がする。結局人間は誘惑に弱いしそれほど高尚なものではない。わざわざ足を運んでまでは覗かないものでもキーを2.3個打つだけで見られるのなら覗いてみよう、という気になってしまう人が出てくるのはいくら刑罰を倍の重さにしても止められない気がする。


結局不便のなほうが安全だということなのだろうか?便利になるという事はとても良いことだ、と言われ続けて僕らはずっと信じてきた。確かにその恩恵を受けてきたし、受け続けている。でも便利になるという言葉に踊らされて何の目的もないまま大食い競争に参加しているだけのような気もする。その先に何があるのやら。(消化不良それともむねヤケ?)
とにかく来週になると11桁の番号がつけられてしまうのですね。僕にも皆さんにも。

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