昔も今も変わってないもの(6/7)

写真のネガをCD-Rに焼いてくれるサービスがある。そうするとパソコンで見たり編集する事が出来るというわけだ。家の中を捜しまくって高校時代に行った山の写真を見つけて焼いてもらった。

僕は中学から高校にかけて山登りが好きだった。きっかけは父の影響だった。影響といっても父が登山家だったわけではなく、ハイキングよりはちょっと本格的な山登りに行ったりする程度だったのだが、あまり体は強くなかったので心配した母が中学生になった僕に同行を命じたのだった。僕は重い荷物を持ってあんな急な山道を歩くことが楽しいのだろうかなんて思っている中学生でどうして一緒に行くことを承諾したのかは今となっては思い出せない。
父と僕が目指したのは丹沢だった。三ノ塔という山の頂上に着いた時天気は良かったものの風がとても強かった。父は無人の休憩所に入るとザックの中から弁当を出し更に固形燃料を取り出してお茶を沸かしだした。家では見たことのない手際の良さだった。
無事に下山してから僕の心の中に何かが居着いてしまった。一歩登る度に広がってくる景色、背中から追っかけてくる風の音、外の風とは別世界の休憩所の中でゆるゆると燃える固形燃料の火。
今度は僕が父を誘う番になってしまった。そして山小屋に泊まるという経験をしてますます山が好きになってしまった。やがて僕は父が一緒に歩くのは難しいコースや日程で山に向かうようになっていった。中学の頃は丹沢で高校では八ヶ岳に友人と行った。一時期は行かなくなってしまっていたが、最近キャンプも兼ねて一年に一回ぐらい再び山に行くようになった。
CD-Rに焼かれてきた20年以上前の八ヶ岳を見て思う。山の姿は何も変わってないな、と。