「ラストサムライ」

話題作「ラストサムライ」見てまいりました。最後の方でちょっと無理あるかなーという場面もありましたが、150分、飽きることなく楽しませてもらいました。日本を題材にしてハリウッド的スケールの一大スペクタクル・アクション映画を作るとこうなるのですね。
さて、かつてケビン・コスナーの映画で「ダンス・ウイズ・ウルブス」というのがありました。題材は違うのですが僕は共通のものを感じました。それは主人公が自分の知らない文化と触れ合っていくなかで生じていく変化であり、自分の文化の中では決して癒されることのなかった傷が違う文化によって癒されていくプロセスだと思うのです。
そういう意味において日本の文化をどう描いていたかを考えると、現在の日本にそれがどれくらい残っているかは別としても、僕が感じる日本人の善さ、というのは丁寧に描かれていたように思います。逆に言えば、少し忘れかけていた日本人の善さというもを再確認させられる、というような場面もあったように思います。そこいらへんは言葉にするのがちょっとやっかいなので興味のある方は映画館へどーぞ。
渡辺謙演じる勝元という人物は、間違いなく西郷隆盛をモデルにしてると思われます。コラムの方でも何回も書いているように僕は司馬遼太郎の小説の大ファンで当然ながら「翔ぶが如く」も読んで、西郷隆盛という人の魅力を強く感じていたのですが、渡辺謙の勝元は、あるいは西郷隆盛をいう人物をリアルに描くとこうなるのではないかと思わせる演技でとても良かったです。是非、アカデミー助演男優賞を取ってもらいたいものです。真田広之も小雪も良かったですし、日本の俳優が本当の意味で五分に渡り合っているのを見て嬉しく思った次第です。