「マジェスティック」

2001年の作品です。前々からちょっと気になっていた映画でした。ストーリーは1950年代初頭アメリカでレッドパージが始まった映画界が舞台です。追求の手が伸びている脚本家ピーター・アプルトン(ジム・キャリー)は車が川に落ちる事故を起こして記憶喪失になり、近くの田舎町に流れつきます。そこで戦争での英雄ながら行方不明になっていた町の映画館の息子のルークとあまりに似ていたので帰還したと勘違いされます。初めは違和感を感じていたピーターもやがて街の人たちの暖かさに触れルークである事に馴染んでいきます。その事で戦争に多くの若者が出征して戻らなかったこの街に活気が戻ってき、閉鎖されていた映画館「マジェスティック」が再開されます。
しかし映画館の仕事を始めたことで脚本家であったピーターは徐々に記憶を取り戻してききます。そして・・・・。


アメリカ映画界のレッドパージを描いた映画としてはデ・ニーロの「真実の瞬間」がありました。第二次世界大戦が終わって5〜6年後のアメリカというのは共産勢力に対して非常に強い警戒心を持っていたのだというのはこの映画で知りました。かなり多くの人材がその事によって映画界から追放されたという事実があるようです。


この「マジェスティック」という映画では戦争の爪あと「この街だけでも62人の若者が戦争から戻らない」「ノルマンディーだけで17人だ」「大統領から感謝状と戦争記念碑が贈られてきたがいまだに役場の地下室に転がしてある。飾る気がしなくてな」など戦争に対する静からながらも毅然としてアンチである台詞がいたるところに感じられます。この映画だけでなく最近見たアメリカ映画の多くにそういった態度を感じます。
湾岸戦争を経て現在もイラクにおいて戦争を続行中であるというアメリカの姿勢にちゃんと文化の側から批判の姿勢を示すところはアメリカの良さなのかなと思いつつ見ました。


見て気持ちの良さを感じる映画でした。