「MY DOG SKIP」/「Lost in Translation」

「MY DOG SKIP」。少年と犬の心温まるストーリーです。前回は邦画の「さよならクロ」でした。明日は一日なのでマイカルシネマに行こうと思っていますが、邦画の「いぬのえいが」を見ようと思っています。要するにこういうストーリーを僕が見たがっているという事なのですね。
何なのでしょう、そういった映画に自分の傷口を癒されるような気がするのは。僕は喪失感というものを最近強く感じるようになりました。ここ3年の間に僕はペットを三匹失いました。おそらくペットを失った人に現れる「ペットロス」という状態にあるのでしょう。自分の中から色々なものが急速に失われていっているような不安感に襲われる事がよくあるのです。穴の空いたビニール袋からボタボタ音をたてながら水が漏れてるように。
奨学金を得てイギリスに留学する為に街を離れる主人公の乗るバスを見送る老犬スキップの眼差しは、本当に心が通じ合うというのはどういう事なのかというのを映像として感じさせてくれるものでした。それを映画を通して再体験したがっているという事なのだと思います。いい映画でした。ケビン・ベーコンの父親役とても良かったです。


「Lost in Translation」。ソフィア・コッポラの作品です。父親は御存知ですよね。何かを失ないつつある中年の映画スターと若くして結婚した女性が東京で出会うというこれまた「喪失感」にまつわる映画です。自分を満たしてくれる「何」かが足りないのですが、その「何か」が見つからないのです。極めて感覚的に言えば「東京」というのはその題材にピッタリなのだと思いました。物凄い勢いで色々なものが喪失されていっている街という雰囲気が映像から感じられました。
もう10年以上前のはなしなのですが、2ヶ月ほどロンドンにいたことがあります。2月ぶりに帰ってきた時に東京というのは何て目茶目茶な街なんだろうと本当に思いました。この映画で同じ気分になりました。何でもある・・・でも何もない・・・。ソフィア・コッポラ、音楽の使い方とっても巧いです。というよりカッコ良かったです。


明日は「いぬのえいが」です。