「いぬのえいが」

1日恒例のマイカルシネマです。今日は時間の都合で「いぬのえいが」一本でした。


もうこれは昨日の「MY DOG SKIP」の続きのような話になってしまいます。映画の核をなすのは中村獅童が演じるCMプランナー山田と柴犬ポチを巡るエピソードです。山田は子供の頃に療養先で出会ったポチとよくボール投げをして遊んでいました。しかし病気の悪化が原因で突然別れたきりになってしまった事を10年以上経ってもどこかで引きずっています。その片方で山田と別れてしまったポチの山田を探す旅が描かれています。ポチは旅の途中で出会う色々な人にちょっとした幸せの花を咲かせながらも、旅の途中で山田に再会する夢を見ながら死んでしまいます。山田は大人になり、自分を見失いかけてしまいポチと過ごした療養先を訪ねます。その夜山田の泊まっているホテルの廊下にボールの転がる音が響いてきます。
これも失われてしまったものへ感じる言いようのない淋しさがテーマなのではないでしょうか。絶対に取り戻すことが出来ないからこそ一瞬だけで良いから戻ってみたい時間・・・。映画のラストでポチにボールを投げるシーンはありえないからこそ心を打つのだろうと思います。そうあってくれれば・・・という願望であり、最後に遠くの草むらにボールを投げ込みポチが一度振り向き、その中に消えていくのはその思いとの決別なのかもしれません。僕は何をするんだろう・・・黒柴のクロと。まるごとバナナを買ってきて半分ずつ食べるのかな。大好物でしたから。


何て分析してられるような状態ではなかったのですけどね。見てる時は。僕の席の奥の方にも同じ位の年齢の男の人が座っていましたが、かなり鼻をすする音が聞こえてきました。僕もちょっと涙が止まんなくて困ったな、という状態だったのでひたすら真っすぐ前を向いていました。


犬を巡るほのぼのとした「笑い」のエピソードも絡めてあり、春休みということもありかなり子供連れで見に来ている人も多かったです。特に田中要次演じるバウリンガルを作った研究者のエピソードは笑えました。これは見に行く人の為に内緒ということで。