プライベートライアン

ここ数日テレビでイラクのファルージャへの総攻撃の映像が流されています。それを見ていて何故かもう一回この映画を見なければという思いに駆られました。かつてBSで放送された際にビデオで録画してあったのを昨夜全編見直しました。新作ではないのですがあえて取り上げたいと思います。


この映画は第二次世界大戦時、四人兄弟のうち三人が戦死したのを知った軍の上層部が親に配慮するあまり生き残っている一人を救出しなさいという命令を出し、その任務を与えられた小部隊が最前線に向かっていき、任務を達成する為に熾烈な戦闘に巻き込まれ多くの命が失われていくというストーリーです。
戦う大義名分が矛盾に満ちているのはのは本当の戦争においても同じなのではないでしょうか?意味がない。
僕がこの映画を高く評価しているのはその戦争の意味のなさというのを強く感じさせてくれるからです。特に後半30分の戦闘シーンは本当に戦争というものは現場において意味もなく人同士が殺しあっているだけだという事を強く感じさせてくれます。どんなに崇高な理念や理想があったとしてもこの殺し合いの無意味さを肯定できるものはないと思います。


トム・ハンクス演じるミラー大尉はその無意味なものの中に何とか自分として辿っていける道筋をつけようとしてる姿を見事に演じています。
「兵を死なせてしまうと自分にこう言う。2名の命を救うために死なせた。いや3名だ。10名かもしれない。100名かも。(中略)こう考えれば楽だ。いつもこうやって合理化して危険な任務を部下に命じている。」
しかしその考え方に彼自身が耐え切れなくなってきていることも同時に描かれています。
「故郷で人に”教師だ”と言うと皆”そんな感じだ”と言われた。だが戦場では職業は謎だった。私も変わったんだろう。あまりにも変わり、妻が気づかないかもしれない。」
「彼を救えば堂々と故郷に帰れる。」
そして前に書いた最後の30分の戦闘に突入していくわけですが・・・・。


今朝もイラクのファルージャにおける戦闘をテレビで見ていました。その映像がまさに昨夜見たこの戦闘シーンと酷似しているのに本当に驚きました。見たことのない人はこの映画は是非ビデオを借りて見て下さい。多分僕の伝え切れなかった多くの部分、また今現在イラクで起きているであろう事を感じてもらえると思います。